10 | 2009/11 | 12

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少女と熊。 後編。 

熊「・・・村は確かこっちのほうだったはず・・・」

熊「!!」

熊「や やばっ」ガサッ

村人A「・・・おい きちんと警備しとけよな」

村人B「やってるって 何しろ 王国の騎士様が来るんだからな」

村人A「そうだ! かなり位の高い方らしいぜ!」

村人B「そりゃすげぇ パトロールって言ってたかなぁ」

熊「・・・・・・・・・」

熊(・・・まずいときに来ちゃったなぁ)

熊(幸いまだバレてないし・・・)

熊(あの子には悪いけど 今日は帰ろう・・・)

男「・・・おいお前ら! 無駄口叩くな!」

熊「!」

熊(この声 さっきの・・・?)

村人A「ああ すみません」

村人B「丁度 騎士様の話をしていたところで・・・」

男「全く・・・、騎士様が巡回に来られるんだ! 手ぇ抜くなよ!」

村人A「分かってますよ〜」

村人B「・・・そういえば 『魔女』の家 借りられました?」

男「・・・『無理』と突っばねやがった! あのガキ!」

村人A「やっぱりそういう態度ですか」

村人B「あの『魔女』にも困ったもんですね〜」

男「まったくあの忌々しい小娘め・・・!」

熊「・・・・・・・・・」

熊(・・・小娘・・・)

男「だが この村で一番良い家は・・・」

村人A「あの『魔女』の家 ですね」

村人B「ホント 迷惑な奴らですよ 親子揃って」

村人A「ま 親はくたばりましたけどな」

村人B「・・・問題は『魔女』かぁ」

男「忌々しい奴だ 呪われた娘! 気味が悪い!」

村人A「笑いもしねぇ 冷たい奴・・・」

村人B「感情が無い ですっけ?」

熊「!!」

村人A「気味悪いし・・・ 腹が立ちますよねぇ!」

熊「・・・・・・・・・」

男「そこで だ」

村人A,B「え?」

男「騎士様が来る前に どっかに放り出しちまうってのはどうだ?」

熊「!?」

村人B「『魔女』を ですかい?」

男「そうさ 好都合じゃねぇか」

村人A「そりゃあいいや! あんなの村に置いてたら 縁起が悪い!」

村人B「騎士様を おもてなしできる屋敷も手に入る!」

村人A「どこか あてはあるんですか?」

男「無いが・・・ テキトーに遠くの森へ放り込んじまえばくたばるさ」

村人A「・・・悪いお方だねぇ!」

村人B「熊にでも食わせちまえば良いんだ! 『魔女』なんざ!」

熊「・・・・・・・・・」

熊「そんな・・・」

男「騎士様にもお見せ出来んような奴だ」

男「明日の朝までに襲っちまおう 熊のせいにでもすればいいさ!」

村人A「これで騎士様にも恥ずかしくない家が手に入る!」

村人B「ついでに金もいただきましょうかねぇ!」

男「夜中のうちにやっちまおう 魔女退治と行くかぁ!」

熊「・・・・・・・・・」

熊「・・・酷い」

熊「こんな奴らが・・・」

熊「・・・・・・・・・」

熊「そんなことより あの子のことだ・・・」

熊「なんとかしないと・・・」

熊「・・・・・・・・・」

熊「でも・・・」

熊「それなら あの子と、一緒に居られる・・・」

熊「聞かなかったことにして! あの子が森に放り出されても!」

熊「僕が 他の熊に襲われる前に助ければ・・・」

熊「それで 一緒に 秘密の場所で・・・」


―――会いたい。


熊「果物を食べて ずっと・・・!」


―――会いたい 会いたい。


熊「二人で・・・ 二人だけで・・・っ!」

熊「・・・・・・・・・」

熊「・・・駄目だ そんなの」

熊「そんなの 絶対」

熊「彼女が 悲しくなる」

熊「感情が無くたって 絶対 悲しい」

熊「・・・・・・・・・」

熊「・・・僕は 笑って欲しいんだ」

熊「彼女に」


ザワザワ

少女「zzz・・・」

キャー!! ワー!!

少女「・・・ん・・・ 騒がしい・・・」

少女(・・・まだ夜明け前・・・)

少女(・・・一体・・・なに・・・)

村人「熊だ! く 熊が出たぁぁぁ!」

少女「熊・・・」

少女(・・・・・・・・・)

少女(まさか・・・)


少女「はぁ・・・はぁ・・・」タッタッタ・・・

熊「ガァァァア!!」

少女「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

男「畜生! こんなときに・・・!」パーン

熊「ガァァァァア!!」ガシャーン

少女「・・・・・・・・・」

少女「・・・どう して」

男「くっそ なんで撃っても死なねぇ!」パーンパーン

少女「・・・・・・・・・」

男「お おい 『魔女』! 死ぬぞ!」

少女「どうして こんなことをするの」

熊「・・・ッ」

少女「どうして」

熊「・・・腹が減ったからだ!」

少女「・・・・・・・・・」

熊「お前を喰ってやろうかっ!!」

少女「・・・あなたは人を食べない ベジタリアンだから」

熊「ベジタリアンな熊が 居ると思うかぁ!」

少女「・・・居る」

熊「・・・がはははは お前はなぁ 騙されたんだよ!」

少女「・・・・・・・・・」

熊「あんな嘘 気付かねぇほうがおかしいだろぉ!」

少女「・・・・・・・・・」

熊「お前みたいな気味の悪い奴 誰が仲良くなるか!」

少女「・・・・・・・・・」

熊「・・・誰が好きになんかなるかぁ!」

少女「・・・・・・・・・」

男「くそっ くたばれ!」パーンパーン

少女「・・・そう」


熊「・・・つけてきたんだ!」

熊「村の場所を知るためになぁ!・・・貴様は・・・ゲホッ」

少女「!」

熊「・・・ガァ・・・ 貴様はな 利用されたんだ 俺にな!」

少女「・・・嘘」

熊「ハァ ハァ ・・・貴様は 一番最後に 喰ってやろう!」

少女「・・・もう」

男「くそっ 食らえ!食らえ!」パーンパーン

熊「・・・ガハァ・・・ ガァァァ」

少女「・・・もう いい」

熊「はは・・・ははは! 悲しくも・・・ 無いだろう! 『魔女』!」

男「くたばれ!くたばれぇッ!」


パァーン・・・



トイレ行きたい。

・・・行ってきた。 スッキリしました。

とりあえず 次で最後になります。 

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